箸練習の始め方をお伝えします!
日本人として生まれたからには、箸の練習はほとんどの方が通る道です。
小さい子どもがいると、
「お友達は使えているけど、うちの子はまだかな?」
「何歳から練習して良いかわからない」
など、不安になる事も多いと思います。
その不安を少しでも軽減できるような情報を、研究などを踏まえてお伝えします。
目次
箸を始めるタイミング
箸を始めるタイミングの調査研究がいくつかありました。
〇【日本児童福祉協会】が調査した研究結果、
箸を始める年齢は、【2~3歳頃】が多い!
1位 2歳頃
2位 2歳半
3位 3歳頃
※1歳から使い始める子もいるが、幼児が箸を使い始める時期には
かなり差がある日本児童福祉協会.幼児の行動発達調査一2~3 歳児の生活行動・食生活を中心に一
昭和61年度保育所給食に関する研究報告書,1989:ll-74.
〇もう一つは、同じような結果が出ていたベネッセさんのアンケート情報です。
とても見やすいグラフだったので、興味がある方はこちらもご参照下さい。
https://benesse.jp/qa/nayami/20230207-1.html
意欲が出たタイミングから始めよう!
研究結果であったように、子どもによって始めるタイミングはバラバラです。
そのため、始め時は年齢で決める事ではないという事。
その子の意欲が感じられたタイミングが、理想的なスタートです。
ご両親の焦りと不安で、無理に始めるのは禁物です。
何事においても、自分の気持ちが乗らないと継続は難しい。
大人と同様で、「やらされてる感」があると努力は一時的なものになります。
きっかけ作りは大切
親の無理矢理な促しは禁物ですが、意欲を引き出す【きっかけ作り】は大切です。
こどもに箸を認識して、身近に感じてもらう事で、意欲は引き出されます。
例えば、
・食事の際に箸を近くにおいてみる
・本やおもちゃなど箸に纏わる話題を出してみる
・友人や兄弟が使っている事を何気なく伝えてみる
など、可能な限りの環境設定も必要だと思います。
些細なことが始めるきっかけになる事も多いです。
ぜひ、ご両親がきっかけを作ってあげましょう!
箸を持つために必要な発達の確認
箸の使い方
まずは、箸をどのように使うのか簡単に解説します。
基本的な箸操作は、
上箸:親指・人差し指・中指
下箸:薬指・小指(親指)
この2つに分けられます。
理解度が高まると思いますので、下記の事を試してみましょう!
①上箸を1本だけ持ち、親指・人差し指・中指だけで動かす。
※薬指と小指は極力動かさない。
②下箸を1本だけ持ち、親指の付け根と薬指の側面で支える。
③2本で実際に動かしてみましょう!
箸の具体的な操作方法を改めて理解できればOKです。
箸の操作に必要な機能
「スプーン、クレヨン、色鉛筆」など
3本の指を使って(鉛筆握り)持てているかどうか。
私は一番にスプーンを見ます!
この握りが出来なければ、細い箸の操作は難しい事が多いでしょう。
【チョキができたら】と巷では言っている事も多いですが、
私の息子はチョキが出来なくても、2歳頃からエジソンのリング付き箸を持ち始めています。
あくまで目安なので、大雑把に捉えてください。
箸の選ぶポイント
基本的には、補助付き箸を選んでもらえたら間違いがないと思います。
ただ、補助付き箸も種類が多く迷いやすいため、今回は2種類に絞ります。
1番のおすすめは「エジソン」のリング付きのお箸
3本のリングが付いており簡単に箸の開閉がしやすくなります。
失敗体験を少なくし、まずは箸の使用感を味わってもらいたい!
そんな箸デビュー時にはピッタリかなと思います。
近くのスーパーでも売ってたりしますので、手に入りやすいという
所もポイントが大きいです。
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リングが嫌なら「ののじ」のバネ付き箸
もし、リング付き箸が苦手な子や、「変な癖がつきそう」と思う親御さんであれば、
とてもおすすめです。
箸を開くときにゴムで補助してくれるため、とても簡単に使用することが出来ます。
ただ、人差し指、中指、親指の固定を自分でしなければいけないため、リング付き箸よりも
やや難易度が高いと個人的には感じています。
ひとまず、この2種類を検討するだけ十分です。
種類が多くて迷うとは思いますが、まずは試してみないとわかりません。
箸の長さについては、箸の専門店でわかりやすい説明をしていたので、
下記のURLをご参照ください。
https://www.hashikura1922.com/view/category/I129732
作業療法士がポイントを解説
子供が嫌がった時の対応
まず、ご両親は焦らずに見守る姿勢が大切です。
大人になっても箸が使えない人は、僕の周りにはいません。
安心して見守りましょう!
〇子どもに少しでも嫌悪感がある時はすぐにやめましょう。
その子の気持ちを尊重してあげる事が次に繋がります。
ですが、「やらず嫌い」のような抵抗感であれば、優しく背中を押してあげる事は必要だと思います。
〇何を試しても上手くいかない時もありますよね!
「本当に困った。」そんな時は、保育園や幼稚園の先生も良いと思いますが、
私のおすすめは、作業療法士に相談する事をおすすめします。
専門的な視点で、箸を持つことが出来ない原因の精査と対策をしてもらえます。
例えば、
・住んでいる市町村で「子供の発達相談所」のような問い合わせ先
・訪問看護ステーションの子供自費リハビリ
・インスタなどのSNSで作業療法士に相談 などなど
箸操作は、手先の運動だけではなく、
視覚や感覚も密接に関係しております。
専門分野でしか見れない事も多いです。
煮詰まったら、まずは第3者に相談です!
掴みやすい物から少しずつ
箸の使い始めのポイントです。
何事も最初が肝心な事が多いですね!
箸に関しては、
【掴む物の選定がとても重要です】
滑りにくく、程よい硬さの固形物、約1cm~2cmほどの物
卵焼き、油揚げ、お肉、キノコ など
滑りやすいみずみずしい物、丸い固形物、小さすぎ・大きすぎる物
麺類、お米、トマト、果物
まずは簡単なものを、1品から始めましょう!
人間の脳は、ネガティブな事柄は記憶に残りやすく作られています。
いかに失敗体験を少なく、成功体験を積んでもらうか。
ご両親のプロデュース力にもかかっています!腕の見せ所です。
まとめ
・箸の使い始めは2~3歳に多い。ただ、子供によって差が大きい。
・「箸を使いたい」という意欲が出たら始めるタイミング。きっかけを作る事も大切な作業。
・スプーンなどで3本の指を使って持てていれば(鉛筆握り)、手の機能はOK。
・最初の箸はリング付補助箸(エジソン)がおすすめ。ゴムの補助(ののじ)も良い選択。
・ご両親は余裕を持って見守る。無理にやらせず、本当に困った時は作業療法士に相談することがおすすめ。
・まずは簡単な物から始めて、成功体験を積んでもらう。ご両親の腕の見せどころです。
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