作業療法士の視点から.とか、偉そうに言っちゃってますが、、、(笑)
「筆圧が強いな」
「箸やスプーンを跡が付くくらい強く握ってるな」
「鉛筆の芯が折れる」
「スナック菓子が砕けちゃうな」
などなど。こんなお話を実際に私は生の声で聴いてきました。
このお話、実際の場面を見て、作業療法士(一応国家資格)の私はこう思いました。
「なんでっ!?」 です。本当に難しいですやん。(笑)
言い訳をしますね!(笑)
基本的な知識はもちろんありますが、やはり感覚って表現しにくいですし、
「これだっ!!」みたいなものって100%自信を持って言う事は
出来ないかなと思っています。
ただ、実際に練習をすると上手になる子は多いのも事実です。
その中身について今日はお話させていただきます!
力加減とは何なのか?
色々と原因は言われていますが、代表的な物をお伝えします。
固有受容覚の不具合
感覚統合という考え方でよく使われますね。
簡単に言うと、
自分の身体の位置や動き、力の入れ具合を感じる感覚です。
受容器の筋肉や関節を通して感じます。
不具合が起こると、手足を動かすコントロールが難しく、感覚が鈍いと感覚を得ようと
思い、強い刺激を加えてしまうそうです。
結局は、筋肉や関節から正しい情報を脳に伝達出来ていないという事ですね。
そもそも脳の問題なのかな?
下肢・体幹などが弱い
人が動くときの支柱となる、下肢と体幹。
その支柱がしっかりしていないと、やはり手先の動きなどは安定しません。
極端な例で言うと、片足立ちでふらふらしながら手先の作業をするみたいな雰囲気です。
見えずらさ。目からの情報。
視力が悪いというわけではなく、物を捉えてはいるが認識がされにくいという事が運動にも関係しているのでは?という話ですね。
風船を掴むと、力が強ければ形が歪むと思います。
普通であればこの歪みに対して「少し強いな、割れそうだな」
と思う事が一般的な感覚ですが、視力からの情報認識が弱い方だと、
あまり気にならない方が多いです。
私の経験上、力加減が苦手なお子さまは、視覚からの情報も乏しいと思う事が多いです。
ぱっと思い浮かぶのが、
「折り紙のたたみ方が雑だな」「ズボンの上げ方が雑だな」
なんて言われている子でしょうか。
これも脳の問題ですね。
実際に関わった方法
具体的なお子さまの例
小学2年生男の子、「お菓子のおっとっとを潰してしまう」「ノートを書くときに手が疲れる」というようなお話がありました。
実際に、ペンを把持する力は強く、何かをひっぱる力が強い、縄跳びやキャッチボールも苦手、走り方が崩れており、下肢体幹が弱い印象でした。
ある日、キャッチボールをしていると、
その子は思いっきりボールを投げます。
「軽く投げてね」と言って返事をしますが、思いっきり投げてしまいます。
私がもう一度、「軽くぽわーんって投げてね」と言うと、
「難しいんだよね」
これがお子さまの訴えでした。初めてそういう表現を聞きましたが、
少し衝撃でしたね。わざとやっているのかな?と、思わざるを得ないほど
強く投げてしまうので。
親御さまは、「ふざけないでね」とお話されることもありましたが、そう思ってしまう
事は本当に共感できます。
対応方法
・風船バレーを実践。(距離感、相手への配慮などを意識してもらう)
・重たいボールでボーリング遊び(とにかく重たいボールで感覚を感じてもらう)
・はさみでの創作活動(モノ作りが好きな子だったので、ひたすら一緒に作りました。
・自宅では、とにかく公園などで遊んでもらうようにご両親にお伝え。
全身運動が出来る遊具を率先して遊んでもらいました。
わかりやすい事だけを上記に記載しました!
今回意識した点は、物を介して遊んでもらう事(直接よりもやや難易度が上がる)です。
あとは、とにかく質よりも量をこなしました!
すると、3か月後にはやや筆圧も薄くなり、おっとっとも潰さずに食べられるようになりました。最近のお話なので、まだまだ難しい事はありますが確実に成長しました!
やはり色んな経験、練習量があってこそ成長に繋がるんだなと改めて実感しております。
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まとめ
・力加減の原因は色々あって難しい!
・恐らく一つの理由ではない。手以外で、視力の問題もあるかもしれない。
・特定するのは至難の業
・重たい物や軽い物など、色々な刺激が入るように考えてみよう!
・まずは、たくさん遊ばせて!