育児の悩み

すぐ諦めてしまう子どもの理由とは?作業療法士が解説する発達支援のポイント

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子どもが新しいことに挑戦しては、少し難しくなるとすぐに諦めてしまう。これって性格?それとも発達の問題?

こんな事を思ってしまう事はありませんか?

そんな方々が少しでも子どもの理解を深めて、気持ちが楽になれるように、
この記事では、

・すぐ諦める子の特徴と原因は?
・どんな対応をすれば良いの?
・実際の具体的な例は?

のような疑問などに答えていきたいと思います。

すぐ諦めやすい子の特徴と原因

・生まれ持った性格:不安が強いなど、性格も影響を与える
・自己肯定感が低い:成功体験の不足が自信を削ぎ、意欲を失わせる
・周囲の環境:周囲の大人や環境が、子供の「諦め癖」を形成する一因となることがある。
・自信が無い:親や大人の影響で「諦め癖」が形成される
・発達の遅れがある:脳の器質的な発達の遅れにより、同年代の子どもに比べ成長速度が遅く、行為自体が難しいことがある

要因も様々あり一概には言えません。

これは子ども自身や親のせいではありません。大切なのは、誰も責めず、共に解決への道を探ることです

変わる事が出来るの?


変われる。

ただ、時間と労力は確実にかかる。
本人と親の継続的な根気強さ、頑張りは必要不可欠。

生まれ持った性格や、脳の気質的な要因も大きいのは間違いありません。
そこを変えていく事は容易ではないでしょう。
何か対策をして、すぐに改善することは無いと思っています。

しかし、たくさんの事が難しくても、
「1つの事に重きを置いて」練習を積み重ねると、自信が付いていく可能性はかなり高い。
1つの得意な事や好きだと思える事に関して突き詰める事も大切です。

1つ1つクリアしていくには、時間や気力も必要でしょう。
本人と親の継続的な努力は必要不可欠です。

嫌な失敗は脳に刻まれやすい!失敗は最小限に。

実際の対策をお話する前に、
「諦める」という思考に関わる、重要な脳の仕組みがあります

嫌な失敗は脳に刻まれやすいというお話です。

脳には、「自己保存」という仕組みがあります。
自己保存とは、
・意欲や気力と管理する視床下部
・危機感を管理する扁桃核
・情報を理解・判断する前頭前野
など様々な脳の働きによって起こる、【自分を守るための反応のこと。
過剰に働きやすい性質があり、嫌な記憶は脳に残ることが多くなると言われています。

そのため、
失敗は最小限に抑えた方が、「諦める脳」になりにくいと言えるでしょう。

「できない」を「できる」に塗り替える。

1つ1つクリアすることで、脳の記憶や思考も変化させていきましょう!
「できない」記憶を、「できる」に塗り替える。


「1つ1つクリア」する時に、重要な考え方があります。
スモールステップの原理です。

対策はどうすれば?スモールステップの原理が大切

【スモールステップの原理とは?】
学習する内容を小さな単位(スモールステップ)に分割して、小刻みに一つ一つ段階を踏んで学習する方法です。

【スモールステップの原理のメリットは?】
・問題点が見つかりやすい
・モチベーションが維持されやすい
・やる事が明確となり、心理的負担が減る

【スモールステップの進め方は?】
1.ゴール(目標)を設定
2.目標を細分化する
3.一つずつ目標を達成していく

具体的な対応例

子どもの育児に関する具体的な例を書いてみます。

【箸の使い方について】
1.箸の前にスプーンやペンの握り方(3本握り)から始める
2.トング遊びを始める
3.補助付き箸(3本リング付きなど)を使用して、掴みやすい物1品ずつから    4.少し難易度を上げて2品ずつから など

【縄跳びについて】
1.ジャンプを真上に跳べているか
2.連続ジャンプ10回
3.足の位置を変えないで連続ジャンプ10回
4.縄跳びロープの代わりにタオル回し10回 など

どうでしょうか?なんとなくでも掴めてもらえたら嬉しいです!

箸と縄跳びを解説している記事も興味があれば見てみてください。

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まとめ

・すぐ諦めてしまう子どもの特徴は、性格や環境、発達の遅れなど様々な特徴があり、
複合的に作用して諦めやすい習性を持っている。

・要因は一概に言えない。本人や親など、誰も「悪くない」という事は言える。

・嫌な失敗の記憶は脳に記憶されやすい仕組みがあるため、最小限に抑える。

・変わる事は出来るが、本人や親の根気強さと頑張りは必須。

・スモールステップの原理を用いて、「できない」記憶を「できる」に塗り替えよう!